午前４時３０分の空の色。

いつだったか、誰だったか･･･

１番･･･自殺したくなる時間なんだそうだ。



夏なら既に東の空が白んで薄い水色になる時間。

冬は未だ暗くて東の地平線だけが色が薄くボヤケル頃。


この世の中で独りきりを実感する時間だからなんだろうか!?
雲の流れが余りに早くて生きる事に辟易するんだろうか!?
それともヤケに切なさを増して心が泣き出すんだろうか!?
また･･･嫌で嫌で堪らない１日が始まるからだろうか!?


新宿の高層ビルが少しずつ明けていく景色が好きだった。
夜中じゅう騒がしかった繁華街が漸く少しだけ静かになって
一瞬摩天楼が息を潜め眠りに付く夜明け間近。

高層ビルが少しずつ色付いていくのを
ゆっくりした時間の流れの中でボンヤリと眺めていると
自分の存在などどうでもいい気がして･･･
「今を生きてる」事が枠の外の事のようで
酷く心が静かになって行くのを感じるから･･････好きだった。


自分など本当に小さな存在なんだと思う。
それを思い知る事は大切な事だと思う。


そんなちっぽけな奴が悩む事など塵よりもちっぽけで
悩むに値しない事なんだと･･･そう思えるから。



東の空が明るいオレンジに変わる。
朝が来てまた１日が始まる。


心の闇にまだ夜明けは来ないのに･･････。