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聖☆矢好きィ~が日々の脳内妄想を吐いてるブログです。宜しかったら覗いてみて下さいね♪

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芳しき薔薇の苑にて。

「貴様、此処で何をしているのだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「おい、こんな所で昼寝をするのはやめるのだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「聞こえておらんのか?爆睡か?いい根性をしているな・・・おいっ!」

「・・・・・・瞑想中だ。静かにしたまえ。」

「・・・・・・・何が瞑想だ。自分の庭ですればよいだろう!」

「本日は此処が最も邪悪に充ちていたのでわざわざ清めに来てやったのだ」

「何が邪悪に充ちているだ!失敬な!」

「あ・・・・・・・」

「なんだ!?」

「この透明な香りは何の香りだ?」

「貴様・・・誰の宮に勝手に上がって来たのだ!
 此処、双魚宮と言えば・・・!!!」

「・・・・・・ああ、魚の頭とか?」

「ヴァッカものォォォ!!!」



透き通っているのに・・・
薄い青と緑の綺麗に混ざった様な色合いで
光の間をするりと抜けて行くような5月の風の中。

日射しが少し西に傾き始めた頃、
討伐から戻り、教皇に戦況を報告した後・・・
普段なら途中の宮もスッと行き過ぎて自宮に戻ってしまう筈が、
今日に限って・・・何処からともなく香ってくる
得も言われぬ柔らかな風に、つい誘われて足を止めてしまった。

暫く、目を閉じて、時の瞬きを聞いている内に
何故だか妙に懐かしい様な、切ない様な、
心臓を鷲掴みにされる様なそんな妙な心持ちがして
急に此処の主の声が聴きたくなったのだ。

・・・そんな事はスコーピオンのミロの口が裂けても
デスマスクの口を思い切り引っ張っても言えやしない。


白く柔らかな面差しが金色に縁取られて
笑っていれば花の様に美しいのに・・・
何故か、彼はいつでも怒っているか、喚いているか
毒づいて暴言を吐いているか・・・・・・寝ているのだ。

それでも私は知っている。
彼が誰よりも正義感の強い、情に脆く、熱く優しい男前だと。
先代譲りの華麗な容姿にそぐわない漢であることを。


そっと宮の裏庭に入り込んで、
艶やかに咲き乱れる薔薇の苑の淵に腰を下ろす。
湿った苔の匂いとサラサラした風の匂いが
圧倒的な華やかさを誇る薔薇の香りに入り混じっている。

それが何故か酷く彼の庭らしい気がしてホッとするのだ。
そして例え、瞼を閉じたままでもこの庭の光景を思い描く事が出来る。

どこまでも豊かに広がった至る所に、多種多様な彩りと風合いの薔薇が
丁度、この宮の主の様に・・・一見わがまま放題に、
よく見れば意外にも柔らかに、謙虚に、緩やかに枝や蔓を伸ばしている。

一際、芳しい香りが鼻をくすぐった瞬間、
美しい外観に似合う、のびやかで甘く透き通るような声が降ってきた。


幼い頃、少しだけ年上の彼を含むやんちゃ坊主三人組と
我々年少組とは、子犬か子猫の群れの様に転がり回って遊び、
憧れの年長者たちに鍛錬も、聖戦に必要な学問も、共に習った。

中でも彼は、花の様に可愛くて、よく仲間に女の子扱いされては
猛獣の様に怒り狂っていたものだ。

私も又、年少者の中では女の子扱いされる類の様で
同族嫌悪と言うか、抵抗の薄い私が歯痒かったのか、
「男は度肝だ!」とか何とか意味不明の言葉で叱咤激励してくれた。

どう考えても「度肝」ではなくて「度胸」だと思うのだが。
今更、蒸返したところで、16倍返しが恐いだけだ。

いずれにせよ・・・
あのまま、いつまでも少年の様に光の中で笑っていたかった。


「おい!どうしたのだ?」

「何がだ!?」

「何がだ!?ではないわ!
 そう言えば・・・今朝方、北の戦線から戻ったばかりだったな?」

「うむ。」

「さては・・・らしくもなく疲れ果てたか?薔薇の紅茶でも飲むか?」

「私は貴方程、年を取ってはいないので疲れ知らずだ。」

「なにをォォォ~~~!!!」

「しかし・・・貴方の薔薇茶は久し振りだ。是非頂きたいのだが・・・」

「そうならそうと素直に言わぬか!回りくどいクソ坊主め!」

「・・・・・・ふふっ」

「なんだ?何が可笑しいのだ?」


そう不思議そうに小首を傾げて此方を睨む。
背中から眩しい西陽が光量効果を上げているとしても
やはり聖闘士一美しいのはこの男だろう・・・と何故か誇らしい気分になる。


「いや・・・貴方はちっとも変わらない」

「そういう時は、ちっとも変わらず美しいと、皆まで言うのだ!」

「・・・・・・(呆れ果て)」

「さ、こちらに来い!特製薔薇茶を淹れてやるぞ」

「折角だ、飲んでやるから美味しく淹れたまえ!」

「この減らず口め!」

「茶菓子はあるのか?」

「今朝がた、デスマスクが持って来た蟹せんべいかスルメならある」

「薔薇茶と・・・蟹せんべい・・・か!?」

「いやならやめておけ」

「いや・・・それも酔狂。受けて立とう!」

「何の戦いのつもりなのだ・・・」



黄金聖闘士の中でも取り分け異彩を放つ美麗な2人。
この2人の会話はこれまた普通人には計り知れぬドS×ドSになろうかと。

或る意味、凄まじくて・・・ある意味、艶やかで・・・
実は2人だけにしか通じ得ない不思議な交流があるやも知れぬ・・・と。

そんな妄想して書いちゃった戯話。


それにしてもストレートな金髪とモフモフゆるふわ金髪が
風に吹かれながら、並んで薔薇の花園でローズティを飲む構図。
何処までも印象派の絵画の様に美しいだろうなぁ~。


例え2人の会話がどうであれ(・・・・・・)

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職業:
ExecutiveOfficer
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妄想&瞑想
自己紹介:
何を考えてるかよく解らないサジタ座です。時々脳と魂が聖域に旅立ったりする所為だと思いますが。将来は聖域で永久就職したいと考えていたりいなかったり。ま、多分ムリでしょう。何しろ聖衣修復も出来ませんから。仕方ないので妄想しながら生計を立てようかと目下検討中。出来れば蠍座に師事したいです。サジタ座ですけど。水瓶座もいいのですが兄弟子の白鳥と渡り合うのは何回死んでもムリかと。黄金・青銅・海界・冥界・白銀・・・節操も何もあったもんじゃないほど聖闘士オール許容範囲です。特に蠍+シベリアン大好物。LCも大好きです。コチラは黄金ラヴです。アルバ様・マニ君・シジ様・アスミタ様・カルデジェル・レオ君が特に好き。え?全員じゃないかって!?ですから・・・何度も申しますが節操無しなのです。

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