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聖☆矢好きィ~が日々の脳内妄想を吐いてるブログです。宜しかったら覗いてみて下さいね♪

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風と翼と白い記憶。

乾いた風が煌めく海から陸に駆け上がり、
熱を持ったまま階段を登り詰めて行く。

昼下がりの十二宮は静かに呼吸している。

弟子たちに拳を教える者、自身の技を鍛錬する者、
仲間同士で互いの拳を切磋琢磨する者、
その声が時折、風を押し返す程の重さで響いているが
暫くすれば、耳に柔らかく馴染む空気になってしまう。

朝から読み物や書き物をしていた所為か、
体が思うように呼吸できない不自由さを感じて、外に出た。



白く照り返す陽の光、駆け上がって行く熱い風、
両の手をいっぱいに伸ばし、目線の先を蒼穹のキャンバスから直下に移す。

眼下の天蠍宮の入り口で金色が揺れているのは・・・スコーピオンか。
ミロも暑さの余り、外に這い出て来たのだろうか?

此処からでは聞こえまいか!?と声を張り上げようとした瞬間、
ミロらしき金色の端から、もう少し儚げな金色をした
ひと回り小さなモノがふわふわしているのに気が付いた。

「ミロの・・・子か!?」
いやいやそんな訳はあるまい。
ミロが弟子を取ったという報告も受けてはいない。
「なんだ?ありゃ・・・」

暫く大きな金色と小さな金色がふわふわとくっ付いたり離れたり、
時折ピョンピョン跳ねたりするのを眺めていたが、
あんまり目を凝らしてガン見していた所為か、目の奥が痛くなってきたので
少々心残りではあったが・・・詳細を勘繰るのは諦めた。

もう1度上の宮を見上げれば、双魚宮まで不気味なほどの静寂さだ。
突き抜ける青だけが眩しい。

「そう言えば・・・みな出掛けていたか・・・」



「それでは・・・今日から3日間、留守にする。
後の事は色々とミロやアイオリアに頼んでおいたので
大丈夫だとは思うが、宜しく頼む。」

昨日の夕方、西の空に陽が傾く数時間前に
2つ上の宮の主が、すぐ上の磨羯宮の主に挨拶するのを聞いた。

相変わらず、赤い髪と白い肌の美しい男だ。
クールを装いながら、その実・・・誰よりも情に篤いのは
聖域で知らない者はないと言うのに、自称クールガイは
今日も優美な物腰で深々と一礼した。

頭の先から足の先まで、ため息が出るほど
毅然とした佇まいは他人が付け入る隙などないのに
何処かしら儚げな空気を纏って、放っては置けない雰囲気がある。

これがあの蠍座にとっては庇護欲を駆り立てられて堪らんのだな!?
などと下卑た思いが頭を掠めて、思わず苦笑する。

「弟子たちには何と伝えているのだ?」

黒髪の山羊座は良く透る低い声で真っ直ぐに尋ねる。

「暫く戦線に向かうので自分たちで鍛錬するようにと。
ミロにも時々様子を見てやって欲しい旨、頼んでおいた。」

「そうか。ミロの事だ。早速シベリアに向かうかも知れんな」

「あぁ、余り過保護にはしたくないのだが・・・
やはりまだ2人とも子供なので、全く2人きりでは少し心配だ」

「そうか。ま、早々に片づけて1日も早く帰って来てやれ」

「うむ!」

「無事を祈る」

「ありがとう。では・・・行って来る」


背筋がピンと伸びて、紅い髪がサラリと揺れた。
きちんと揃えた指の先の美しい柘榴色が目に染みる。

この若さで弟子2人を聖闘士に育て上げようとしているこの男には
或る意味、尊敬の念を抱かずにはいられない。

どちらかと言えば、聖域に来た時から寡黙で、大人しい風情で
だからと言って控え目だとか、物怖じする訳ではない。
人間関係は多少苦手分野の様に見受けられるが、拳を繰り出す時の
蒼白い炎の威圧感は、数多ある聖闘士の中でも秀逸だ。

それでいて、2人の弟子への至上の愛は
これまた他の追随を許さぬほどに深くて大きいと聞いている。
外観に似ず、興味をそそられる面白い男だ。

紅髪を揺らして踵を返し、静かに階段を下りて行く男に
もう1度だけ、山羊座が声を掛けた。

「弟子の名前・・・何と言ったか?」

「え?・・・・・・ああ、アイザックと・・・氷河だ。」

「アイザック・・・ひょうが・・・。2人の為にも必ず戻って来いよ!」

「ああっ!」

そう言って、珍しく零れるように微笑んだ。

一陣の赤い風が足早に十二宮を駆け抜けて行った先では
タイミング良く金色が顔を出す。
こうして見ると色重ねの様に美しい組み合わせだ。
何故か、急に冷たいものが喉元から腹に落ちる。

私たちに永遠などないのだが・・・
どうしても祈らずにはいられない気がして
思わず漏れたため息に、自分で驚いた。



いまごろ・・・水瓶座はどうしているだろうか。




そうだ、あの金色と赤色のコンビネーションも美しくて
昔から馴染む愛おしさを感じたが・・・
今日の金色のグラディーションも中々なものだ。
それにしても、夕方になっても暑い。

自室に戻ろうとしたその時。
小さな足音が速さを上げて近づいて来るのを感じた。

天蠍宮の前で跳ねていた儚い方の金色だ。

近くで見ると、まるで孵化したばかりのヒヨコのようだな。
一段一段が狭くて急な為に足元が不安定なのか、
目線をずっと自分の足に張り付けたまま、無心に駆け上がって来る。

自宮に向かい掛けた体をもう1度外に向けて、宮の前まで進み出た。
隠れて、ヒヨコの行き過ぎるのを眺めるのも良いが、
何故かしら、この淡い金色を間近で見たくなったのだ。

「あっ・・・」

あと1~2段の所で躓いたヒヨコはバランスを崩して声を上げる。
転ぶかと思うより一瞬早く・・・私は彼の腕を掴んでいた。

「あ、ありがとう・・・えっと・・・誰・・・ですか?」

「君は?」

「ひょ、氷河です。」

ああ、これが水瓶座の秘蔵っ子の1人か。

「私はアイオロスだ」

「アイ・・・オロ・・・・・・・ス!?」

「ああ、君の先生と同じ黄金聖闘士だ」

「そうですか、初めまして」

「今日は?先生なら昨夜から戦線に出ているぞ?」

「はい、知っています。なので留守のうちに掃除とかしようと思って」

「あはははは・・・健気だな。掃除ならやってくれる者たちがいるから心配ないぞ」

「でも・・・・・・」

憂いを含んだ睫毛が大きな碧眼を覆うと同時に白い頬がほんのり染まる。

「先生に会いたかったか?」

「え?・・・あ・・・・・・はい。」

驚いた様に顔を上げ、白い頬を紅く染めたまま此方に向き直る。

「そうか、1日遅かったな」

「俺も光速移動が出来ればいいのに・・・」

そう言うと又、自分の足の先に目線を落とす。

「いや、光速移動はそのために使うものじゃないがな」

「先生は・・・元気でしたか?」

静かに顔を上げた少年は透明感のある澄んだ碧眼を
真っ直ぐに此方に差し出したまま、少しだけ声を上げて尋ねてくる。

師匠とは違う髪の色だと思ったが、瞳の色も違うのか。
むしろ・・・此処に来たばかりの頃のミロに似てるかな!?

「それなら先ほど天蠍宮で聞いたのではないのか?」

「あ・・・はい。だけど・・・ミロは半分ふざけてるから」

「ははははは・・・信用ならんか?」

「そんな事はないんですけど・・・何か心配で。」

「大丈夫だ。君の先生は元気に戦線に向かったぞ。
そうだ、出掛ける寸前まで君たちの事を頼むと言っていた」

「あ・・・そうですか!」

さっきまでの不安そうな色が消えて、跳ねる様に答える姿は
まだまだ幼さが先に立って純粋に可愛いと思える。

「氷河・・・だったか!?幾つになるんだ?」

「11歳になりました」

「独りで聖域まで来るのは大変だっただろう?よく来たな」

「はいっ!でも先生と来た事ありますし、
ミロが小宇宙通信でナビしてくれたので全然大丈夫でした!」

「そうか。ミロがな・・・奴も相当甘いな」

「え?」

「いや、何でもない。この先、磨羯宮には主がいるが、
宝瓶宮の上も留守だから、くれぐれも気を付けるんだぞ!」

「はい!ありがとうございます!」

「・・・・・・ん、何だ!?」

一瞬、弾かれた様に明るく輝いた碧眼は、
次の瞬間、私を真下から見上げていた。
顎のあたりにふわふわ綿毛のような金色が揺れている。

何が起こったのか、さっぱり解らずに棒立ちでいると
背中に回したであろう一回り小さな手がギュッと上着を掴む。

「・・・氷河・・・何を・・・?」

「貴方は・・・今も此処にいるんですね」

「え?」

「俺には貴方がちゃんと見えます。」

「・・・・・・」

「貴方に会えただけでも・・・今日来て良かったです。」

自称クールガイの愛弟子は師匠に輪を掛けて言葉が足りていない。
何の事やらさっぱり解らない。

が・・・・・・
このヒヨコにはどうやら私が何モノか解るらしい。
しかも・・・触って確認まで出来るらしい。

私はこの小さな腕に抱かれたまま・・・と言うより
早い話、ヒヨコが大樹に必死で停まりながら・・・に近いのだが。
互いの体温を感じながら静かに尋ねた。

「何故・・・そう思った?」

「うーーーん。何となくです」

「そうか。・・・いい子だな」

思わず、ふわふわの羽毛に手を伸ばしてみる。
実体のない金色の風のような感触が、日向の香りがして暖かい。
細い体をちゃんと抱き直そうと手を回した瞬間、
ヒヨコはピョンッと弾けて、姿勢を正した。

「それでは・・・暗くなる前に宝瓶宮まで行きます」

「そうか・・・気を付けて」

「はい!ありがとうございます」

ふわふわと心許無い金色が揺れる。
腕の中の柔らかな陽溜りの感触が少しずつ冷えていく。

最後にちゃんと顔を上げて微笑んで見せた時に
碧い瞳が一際大きく潤んで見えた。

もう少し、この少年と居たい・・・などと、気持ちが沸き立つ。
甘やかで切ない、ツンと鼻の奥を突き刺すような・・・。

「氷河・・・」

駆け上がって行く華奢な背中にもう1度声を掛ける。

「はい?」

すぐに足を止め、小さな頭だけ此方に向けて
柔らかな輪郭にやけにはっきりした美しい瞳が
次に紡ぎだされるであろう私の言葉を待っている。

この先、この少年とは2度と会う事はない。
解っていて断ち難い、この気持ちは何だ?

それは、これまでに幾度か通り過ぎて来た筈の
出会いと別れを繰り返す一コマと同じなのだ。
喉元まで突き上げて来る何かを、無理やり飲み込んで言葉を紡ぎ出す

「君が美しい聖闘士になった時、また会おう」

「え?・・・あ・・・・・・はいっ!必ず!」

それじゃあ!と、にっこり微笑んで、宝瓶宮を見上げる。
儚い金色をふわふわ揺らして、再び駆け上がって行く背中を
もう呼び止める事は出来ない。

一瞬、飲み込んだ言葉は何だったか。

最早、自分でも思い出せないが・・・
遠い昔に仕舞いこんだ小さな感情の欠片を
思い出せそうな気がしたのは確かだ。

まだ、私が翼を持っていた頃の・・・記憶。


夕陽が完全燃焼して蒼黒い海に飲まれていく。
少年は目指す宮に辿り着いただろうか?
今夜は独り、どんな夢を見るのだろうか?

少し疲れた・・・。




主人を失って久しいこの人馬宮に・・・
昼間の熱が嘘の様に、ヒンヤリと空気が蹲まっている。

もう行かなくては・・・。

刹那、眼前を艶やかな柘榴色と儚い陽色が交錯した。
腕に抱いた陽溜りの香りが脳裏を掠める。
触れたふわふわの暖かい感触が掌に・・・・・・甦る。

それが何だと言うのだろうか。
心が静かに堕ちて行く先は・・・たった独りの闇の淵だと言うのに。










[どうでもいいあとがき・・・てか足掻き!?]

あああああ~無駄にダラダラ長くて申し訳ないです(滝汗)
更に此処から、屁理屈捏ねてます(爆)宜しければどーぞ。


アイオロスは「風の神」と言う意味なのですが。
聖闘士たちを守る風の様な存在。
熱い野心やアテナへの忠誠心を持ちながら、一陣の風の様に吹き過ぎた人生。

反逆者とか、裏切者と言うレッテルを貼られた反面、
聖闘士たちにとっては英雄であり、頼れる兄さんであった訳で。
例え、実体はなくても彼の魂が風の様に自分たちを包み込み、
守ってくれている存在だと信じているような気がします。
でも・・・そんな「彼」も心は孤独だったんじゃないかな。
本当なら生きて、戦いたかったんじゃないかな。
愛する弟や弟分と、親友や守るべき女神と共に。

なので、ホントは「風」になって今でも聖域に在り続けるんじゃないかと思ってw
常日頃はギャグティストで、残念な聖お兄さん的なアイオロスさんなんですが
ちょっと「孤独で寂しい英雄」色を濃くしてみましたwww

んでもって絡めてみたのが・・・何で氷河かと言えば・・・
年の差・身長差・受攻色が明確だし、自分が射手座として1度水瓶座と絡みたかった!!!
自分が絡みたい!!!って、お前が絡んでどうするよって話ですがwww
水瓶座さんって周りに余りいらっさらないので大変興味深い生き物なんですよ(おい)
あとは・・・
マーマへの思いが中々断ち切れない氷河は「魂」の実体に敏感かなと思って。
「風」として存在するアイオロスの「実体」を「心」で感じる事が出来たら
アイオロスも何だかとっても救われる気がして、いいんじゃね~と思って。
じゃあ、どうして同じ射手座で後継者の星矢じゃないかと言えば・・・
星矢じゃ無理なんだもんwww
射手座は鈍感だから「魂」になったアイオロスには殆ど気が付かんて!
だから聖衣だけドーンッと送り付けて来るんじゃね!?

それと・・・

アイオロスは「風の神」なので白い翼を持ってるんじゃないかと思って。
射手座聖衣は黄金で物凄く豪華絢爛!金襴緞子的な翼着いてますけどねwww
本来の・・・射手座アイオロスが幼かった頃(聖域に来た頃)小さな白い翼が着いてて
教皇にだけそれが見えたんじゃないかな~って思ってwww
で、氷河も白鳥じゃないですか!?
拳を繰り出す時に白い翼がじゃじゃじゃ~~んって見えるじゃないですか?
その辺がね・・・白い翼繋がりで!無理やり妄想したりしなかったり♪
こじ付けだよねww

ラストに・・・

アイオロスはかなり面食いで、美少年大好きだと思うよ!?(おい)
・・・だって射手座だもん♪(おーーーい)
氷河なんてマジ標的だっただろうよ!?(待てコラ)


本当はギャグで書こうと思ったんですが・・・
書き進んでく内に、ちょっと自分でも違うツボに嵌っちまった♪
珍しく「オチ」ないんですよねえ~www「あれ?」って自分でも不思議で。
でも、まともな小説なんぞ書けないですからね・・・
散文とか抒情詩的なモノならいけるかなと思って、取り敢えず「若干真面目な散文」に。
だけど・・・結果は・・・この様ですから!!!
これで、文学部卒だなんて死んでも言えなくなりましたよ(泣)

ああ、もうホンット小説書いてる方々、絶賛尊敬するっ!!!凄いよマジで!!!

激しくうちひしがれながら・・・私は巣穴に戻ります(すごすご)

あ、お解りかと思いますが、
これはBLでもR18指定でも何でもない感じの話です。
ただの「魂だけのアイオロスさんが感傷に浸る夕暮れ時」描写です。はい。
何から何までいい加減で・・・すみません(汗)

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何を考えてるかよく解らないサジタ座です。時々脳と魂が聖域に旅立ったりする所為だと思いますが。将来は聖域で永久就職したいと考えていたりいなかったり。ま、多分ムリでしょう。何しろ聖衣修復も出来ませんから。仕方ないので妄想しながら生計を立てようかと目下検討中。出来れば蠍座に師事したいです。サジタ座ですけど。水瓶座もいいのですが兄弟子の白鳥と渡り合うのは何回死んでもムリかと。黄金・青銅・海界・冥界・白銀・・・節操も何もあったもんじゃないほど聖闘士オール許容範囲です。特に蠍+シベリアン大好物。LCも大好きです。コチラは黄金ラヴです。アルバ様・マニ君・シジ様・アスミタ様・カルデジェル・レオ君が特に好き。え?全員じゃないかって!?ですから・・・何度も申しますが節操無しなのです。

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